イタリア旅行でミラノというのは定番かと思いますが、ミラノに来るならば、ぜひ知っておいて欲しい、ミラノ近郊の町を紹介したいと思います。

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ミラノ近郊おすすめ都市、ベルガモ(Bergamo)
ミラノから電車で北東へ1時間弱、ベルガモ市があります。
丘の上に築かれた城塞都市で、旧市街の「Citta Alta」(上の町)と、新市街の「Città Bassa」(下の町)からなります。
旧市街全体が城壁に囲まれていて、中世の街並みがそのまま残されています。

幸いにも、第二次世界大戦の影響が、それほどこの町に被害をもたらさなかったことが、いまだに魅力ある城塞都市が見られる理由の一つです。
ミラノは、ドゥオーモを除いて、ほぼ街全体が戦後に再建されました。
ベルガモの町並みは、その点が大きく違います。
下の町の方は、19世紀から商工業の中心として発展してきた比較的新しい都市の部分になります。
電車は下の町の方に到着します。

上の町と下の町を繋ぐのは、フニコラーレと呼ばれる、128年前に作られたケーブルカーで、52%もの急勾配を物ともせずに登っていきます。
このフニコラーレ自体遺産と言えるくらい古いですが、その年季の入った動きにはワクワクさせられます。

ベッキア広場
上の町の中心は、PiazzaVecchia(ベッキア広場:古い広場という意味)で、そこでカフェを飲みながら、ロンバルディア州最古の市庁舎(Palazzo della Ragione)や、鐘楼(Campanone)をゆっくり眺めるのがおすすめです。
町自体が、美術館のようなもので、ゆっくり時間をかけて楽しみたいですね。

広場を挟んで最古の市庁舎の反対にあるのが、Palazzo Nuovo(新しい宮殿)と呼ばれる図書館になっています。
1500年代の手書きの資料なども豊富で、イタリアで最大規模の図書館です。
この広場の構成があまりにも完璧だったので、現代建築の父である、ル・コルビュジェがこの広場を訪れた時に、感動のあまり
「ここの石は一つとして動かせない。それはもはや犯罪だ」
と言わしめたそうです。
この広場は、もともとローマ時代のフォーラムの上に作られていて、長い歴史がこの広場には感じられます。
街を堪能したら、帰りは、フニコラーレ(ケーブルカー)を使わずに、歩いて下の町へ戻るのをお勧めします。

ベネチアの城壁とも呼ばれる、旧市街を囲む城壁は、ベネチア共和国時代に作られました。
この旧市街を囲む城壁を辿りながら歩いて行く時に見える景色がたまらなく美しいです。
ミラノ近郊の魅力の町々、モンツァ(Monza)
ミラノから電車でたった10分のところに、モンツァという静かな町があります。
ミラノの喧騒を離れ、静かで美しいこの町に住み、ミラノに通勤している人も結構多いです。
この町は何と言っても毎年行われる、フォーミュラー1のイタリアGPが行われる、モンツァ・サーキットで有名です。

2019年は9月5(木)から9月8日(日)まで、ここモンツァで開催されます。
町の中心である、モンツァ公園の一部がサーキットになっています。
このモンツァ公園自体、非常に大きな公園で、ここを徒歩で散歩するのにはあまりに大きいので、パーク内を走るパークトレインツアーがあったり、自転車を借りて公園内を散策することも可能です。

公園内数カ所カフェがあり、モンツァ市民の憩いの場になっています。
野鳥を始め、馬なども放牧されていて、公園でゆっくりした時間を楽しめます。
一方で、この公園の別の一角には、レアル宮殿(Villa Reale)と呼ばれる建物があります。
レアル宮殿
18世紀にオーストリア帝国の一部であった時代に、このレアル宮殿はオーストリアの大公フェルディナンドの為に、建設されました。
設計はジュゼッペ・ピエルマリーニで、ミラノのスカラ座を設計したことで有名です。
19世紀には、サヴォア家の宮殿となりました。
シンメトリーの美しい宮殿で、スケール感も大きく、これぞ宮殿というイメージを持つ建物です。
レアル宮殿を始め、宮殿内のレストランや、本屋さんなどで過ごすこともできます。
貴族のよう贅沢な時間が過ごせます。
モンツァに行かれる時には、是非オススメしたいスポットです。
Duomo di Monza

モンツァ大聖堂です。
ここの大聖堂は14世紀に完成した、ゴシック様式の大聖堂です。
ここの建物そのものも素晴らしいのですが、ここには、モンツァの宝と呼ばれる「鉄の王冠」があります。
これは、6世紀から、この地を治めていた、テオドリンダ女王から、代々受け継がれ、イタリア北部の征服をした、ナポレオンが、ミラノでの戴冠式の際にも使用しました。
ミラノ大聖堂に納められている「釘」と同じ、キリストを磔にした「釘」がこの王冠に使用されているとされています。
この王冠が収められているのが、大聖堂の一部を利用した美術館です。
美術館とテオドランダのチャペル、王冠見学であわせて、14ユーロになります。
月曜日は基本的にお休みで(予約がある時のみ入れます)
火曜日から日曜日は、教会の行事がない時には入れます。(9時-18時、日曜のみ14-18時)
ミラノ近郊の魅力の町々、まとめ

せっかくミラノまで来たのであれば、ここでご紹介したような、ミラノ近郊のベルガモやモンツァという地方の都市にも、ぜひ足を運んでいただければと思います。
これらの小さな地方都市は、ミラノなどの大都市と違い、小ぶりであるので見学がしやすいこと、そして何より、第二次世界大戦以前の、イタリアの風景がそのまま残っています。
ミラノは残念ながら、一度焼け野原になっているので、街全体が比較的新しいです。
そんなこともあり、本当のイタリアの歴史が感じられる魅力のある都市というのは、小さな地方都市の場合が多いです。
特にこういった地域に残る、古い宮殿や、城や城壁といったものは、その存在だけで、感動します。
イタリア旅行、せっかくですから、是非、地方都市へも足を伸ばしてみてください。
本当の古き良きイタリアの風景が、垣間見れると思います。