イタリア旅行でも、常に世界中から観光客を惹きつけている、魅惑の都市「アドリア海の女王」ベネチアの、その永遠不滅の魅力をご紹介していきたいと思います。

ベネチア観光モデルコース
その唯一無二の魅力の一つは、この独特の地形とそこに寄り添う町の作られ方にあります。
もともと、ベネチアは東をアドリア海に面していて、イタリア半島に海が入り込んだ部分、ベネチア潟を15世紀ごろから、干潟にして作られた土地です。
ベネチア中心市街は、カナルグランデと呼ばれる大運河と中小の運河、狭い路地が見事に入り組んでいて、10数回は訪れたことのあるMタローですが、来た道通りに同じように帰ることができたことがまずありません。

狭い路地の色々なところに、おみやげ屋さんや雑貨店、バールなどがひしめき合っているのですが、もし「これを買いたいな」と思ったら、その場で買うことをお勧めします。
私も「荷物になるし、帰りに買って帰ろう」と思って、帰りにその店をみつけられなかったという失敗を繰り返しています。
迷宮のようではあるのですが、街がうまく作られていています。
電車での到着駅である
「ベネチアサンタルチア駅」、
市内のど真ん中にある有名な
「リアルト橋」、
ベネチアのメインディッシュとも言える
「サン・マルコ広場」
へはそれぞれ街中の壁に貼ってある黄色い看板の矢印を辿れば、どこにいてもこの3つのどこかにたどり着けるようになっています。
「どう来たかはわからないけど、看板を辿っていったら自然に着いた。」
という感じです。
行き止まりも多く、地図を持っていても自分がどこにいるのかもわからないことが多いですが、そのことがこの街の魅力でもあります。
迷子になっても、メインの3箇所への行き方はわかるので、その時の気分に任せて、右へ左へウロウロし、時に発見するふとした景色などが最高です。
ベネチアは迷い込んで、自分が意図しなかった景色やお店などとの出会いが最大の魅力と言えるかもしれません。
ちなみに、ベネチアはイタリアの中でも、住んでいる人たちの気位が高く、自分たちはヴェネチア人であることを誇りに持っていて、自治の意識が高いです。
そんなこともあり、イタリアの中でも比較的安全な都市です。
他のイタリアの大都市と違い、道に迷い込んだからといって、すぐ危険を感じるような場所は少ないです。
ただ、人混みには、やはりスリがいたり、夜の細い道や暗がりは流石に避けたほうが無難です。
夜でも人通りの多い、大通りは問題ないです。
基本的なルートは
サンタルチア駅→リアルト橋→サンマルコ広場→リアルト橋→サンタルチア駅
これだけで、ベネチアの目玉観光地をひとまず網羅したことになります。
この行程は全て徒歩で行えますが、
所々で、水上バス(ヴァポレット)や渡し船(トラゲット)を使うことで、回り道を回避したり、目的地に早く向かったりします。
ヴァポレットやトラゲットの詳しい情報に関してはこちらに詳しく書いてあります。
→イタリア旅行 ベネチア市内観光!ヴェネチアーノ気分でヴァポレットを使いこなす!
ベネチア観光モデルコースの目玉、リアルト橋
リアルト橋
ベネチアに人が住み始めたのがこのリアルト橋付近と言われます。
この辺りは、海抜がベネチアの中でも比較的高くて、洪水が起こりにくく、ベネチアとしては、はじめに人が住みつきました。
まさにベネチア中心市街の原点と言えるリアルト橋です。

現在のリアルト橋は、16世紀に作られました。
それまでかかっていた、木製の跳ね橋が戦禍により焼失したり重さで崩壊したことにより、石の固定橋をかけることにしたそうです。
現在の橋の設計は、アントニオ・ダ・ポンテという建築家ですが、この最終案に決まるまでに紆余曲折があり、ミケランジェロの案もあったそうです。
ちなみにポンテという名前は、日本語で「橋」という意味を持つイタリア語なのですが、建築家が「橋」さんというのは面白いですね。
ミケランジェロ案も見てみたかったですね。
この橋の真ん中あたりの欄干からの南西に向かうカナルグランデの景色は最高ですよ。
特に夕暮れ時の景色がオススメです。
水面が夕日で真っ赤に染まります。

この辺りでの買い物事情ですが、リアルト橋の周りにはお土産やさんが多いですが、観光客も多く、ベネチアの中でも値段設定が高いお土産やさんやレストランが多い印象です。
イタリアでもベネチアに特に言えることなのですが、観光客価格というものが結構露骨にあって、観光客相手をしているようなレストランやカフェなどは値段が高いことが多いです。
ただ、これは、日本人だけではなく、ヴェネチアン以外のイタリア人でも、ベネチアは高いと感じているそうです。
遊園地で自動販売機の値段がおかしいのと同じ感覚で、そういうものだと考えた方がある程度心の平安が取り戻せます。
ベネチア観光モデルコースの目玉、サン・マルコ広場
サン・マルコ広場
ベネチアといえば、このサンマルコ広場とサン・マルコ寺院、鐘楼を思い浮かべる方も多いと思います。

あのナポレオンをして、「世界で最も美しい広場」といわせています。
ちなみにベネチア共和国は、ナポレオンに滅亡させられています。
この広場は、実は綺麗な長方形ではなく、寺院から遠い方の短辺を狭めた、台形の広場の形となっています。
また、広場を完全に閉じずに、海に向かって、開くことで、広場をより広く見せたりしています。
人の目の錯覚を利用して寺院の威厳を表現しているのですね。
このような仕掛けが広場をより印象深くしています。
一度訪れると忘れられない広場です。
そして意外とどんな形だったかなと思い出そうとしても、正確な形が思い出せなかったりします。
寺院以外の3方は、広場に面した建物の一階が回廊になっていて繋がっており、大きな広場を店舗がぐるりと囲みます。
その所々に、カフェがあり、広場に大きなスペースをとって、屋外テーブルを設けています。

観光客価格だとわかっているのですが、ここに来たらやっぱり、テラス席に座って、ビールでも飲みながら、くつろいでみたいですよね。
冬に訪れる場合に気をつけていただきたい点が、アクアアルタ(高潮)です。冬の高潮の間、広場全体が5cmや10cm海水の下に沈みます。
寒い中足が濡れて嫌なのですが、一方で、広場が海と一体となるその景色は、この世のものとは思えません。
海の上を自分も含めて人が歩いているようななんとも不思議な風景になります。
もし、アクアアルタだとわかれば、ホテルに閉じこもるのではなく、サンマルコ広場での不思議体験をぜひオススメしたいです。
イタリアのみならず、世界の中でもこれほど幻想的で、人の心を捉えて離さない、さすがは「アドリア海の女王」です。