ベネチア

ベネチアカーニバル、仮面の種類ってどれくらいあるの?

ベネチアのカーニバルの仮面は、

伝統的なものが一通りありますが、

それ以外にも、

新しく創作されたりしているものも

多くあります。

特に毎年行われる

「ベストマスクコンテスト」に向けて、

世界中から新しい仮面のアイデアが出てきます。

ここでは、

伝統的なものを中心に見ていきたいと思います。

ヴェネツィア マスク
スポンサーリンク

ベネチアカーニバル、仮面種類一覧 メインマスク

ベネチアーノ達は、

ベネチア共和国時代には、

職業によって、違う形の仮面をつけることを

習慣としていました。

Bauta(バウタ)

もともとシンプルで真っ白なマスクですが、

突出した顎のラインと目立たない鼻を特徴とし、

下顎がないものを特徴として持っています。

マスクを外すことなく、食事をとったり、

話したりすることが可能で、

いちいちマスクを取る必要がないため、

秘匿性が確保されやすかったそうです。

 

同業者同士で政治的な問題を解決するときに、

投票などでわだかまりが残らないように、

顔隠し出したのが始まりのようです。

Volto/Larva(顔/亡霊)

ベネチアを代表するマスクです。

これは他のマスクが紙製であるのと違い、

磁器や厚手のプラスチックなどで作られます。

このマスクは他のマスクと違い、

完全に顔を覆う形のマスクになります。

食べたり飲んだり、

話したりすることもできません。

スポンサーリンク

ベネチアカーニバル、仮面種類一覧 召使のマスク

Colombina(コロンビーナ)

これはハーフマスクと呼ばれるもので、

目と鼻と頬の上半分のみのマスクです。

よく金、銀、水晶や羽毛などで

美しく飾られることが多いです。

 

北イタリア伝統の即興演劇

(コンメディア・デッラルテ)の中の

中心キャラクターの一人

「女召使いのコロンビーナ」

をモチーフにしたマスクです。

このキャラクターは、

とても魅力のある女性が演じる役柄のため、

顔を隠してしまうのが惜しいということで、

ハーフマスクになったそうです。

最近では男性もつけることがあり、

バウタ同様、人気のあるマスクになっています。

Servetta muta/ moretta(声を出さない女召使い)

このマスクは、黒のベルベットで

まん丸のマスクで、口も鼻もなく、

目の部分だけくり抜かれているものでした。

 

これを着用するものは、

口でマスクの突起を噛み、固定していたので、

物理的に話すことができないマスクでした。

1760年ごろには、廃れてしまったマスクです。

Zanni(ザンニ)

初期の即興演劇に登場する、召使いキャラ。

年寄りで、長い鼻を持つ。

このキャラがのちに派生して、

ハーレクインになったり、

ピエロになったりしていったそうです。

スポンサーリンク

ベネチアカーニバル、仮面種類一覧 その他のマスク

Medico della Peste(ペスト医)

このマスクは、

もともとカーニバルで使われるものではなく、

ヨーロッパでペストが大流行した時に、

医者がペストに感染しないように

取り付けた、いわば、防菌マスクでした。

引用:https://artistadellabarbaria.jimdo.com/foto/

当時の医者は、

ペストの感染源は悪臭にあると考え、

その悪臭を吸わなくても良いように、

長いくちばしの中に、

ハーブや甘い香りのものを入れ、

悪臭を防ぎ、丸く開いた目の部分は、

ガラスをはめ込み、

悪臭が入ってこないようにしていたそうです。

 

ペスト医は、このマスクに、

白い手袋、黒い帽子と黒い服、

杖(患者を触らずに動かす用に)

を持つのが正装だったようです。

 

このマスクがカーニバルで人気が出たしたのは、

近年のことで、おそらくは、

死にまつわるイメージ(メメント・モリ)

からおどろおどろしさが醸し出されることが

好んでこのマスクをつける人が増えた原因

ではないかと言われています。

確かにちょっと怖いですよね。

名前も見てくれも。

Pantalone(パンタローネ)

カラスのくちばしのような大きな鼻と、

悲しみを表現した、眉と目を持つマスクです。

これもコロンビーナと同様に、

即興演劇の中心キャラクターの

一人をモチーフにしています。

コロンビーナと同じように、

ハーフマスクになっています。

即興演劇のキャラとしては、金持ちで欲深、

色欲旺盛な老人として描かれています。

Arlecchino(ハーレクイン)

これも即興演劇のキャラの一人で、

ペテン師だが憎めないキャラとして出てきます。

このマスクの特徴は、猿のような鼻、

半円を描いた眉毛、丸まった髭が顔の特徴で、

さらにおでこの上の片側にコブがあります。

これは悪魔のツノを象徴しています。

マスクは黒色がベースが多いです。

ベネチアカーニバル仮面、まとめ

 

伝統的なマスクだけでもこれだけあります。

現代的なものの中には、

Guerriero Giapponese(日本の侍)

があったり、結構自由です。

引用:https://artistadellabarbaria.jimdo.com/foto/

ちなみにこの侍、

ちょっと仮面ライダーっぽいけど、

カッコ良さは半端ないです。

ベネチアーノのデザインセンスに脱帽です。